営業などで交通機関を利用したときに、一部または全部が通勤定期券の区間内であった場合、会社から交通費はもらえるのでしょうか?今回は、交通費精算と通勤定期券の関係をご紹介します。うっかり不正請求しないように気をつけましょう。
営業など、仕事の必要があって交通機関を利用した場合、社員には会社から交通費を支払ってもらえる権利があると考えられます。
つまり、本来会社が負担すべき販売管理費を社員が肩代わりしていると考えるのです。
なので、交通費を請求する行為そのものは問題ありません。
ただし、交通費の一部が定期券の区間内と重複している場合は、定期券の区間内部分については交通費としてはもらえません。
定期券の区間外について、交通費を請求することは問題ありません。
多くの会社では、社員が通勤するための通勤費は、通勤手当として支給されます。三ヶ月分の通勤定期券の代金を、決まった時期に支払っているところが多いようです。
ただし、会社によっては通勤手当がないというところもあります。
法律上、社員の通勤費を出さなければいけない規定はないので、通勤手当の出ない会社が違法行為をしているというわけではありません。通勤手当は、会社の福利厚生の一部です。
一方で、営業で使った交通費は販売管理費などの名目の経費です。
経費を肩代わりしているのであれば、きちんと会社から払ってもらう必要があります。
ただし、営業のために移動した経路が通勤定期券と重複している場合、すでに通勤手当をもらっているのですから、通勤定期の区間内については、会社からお金をもらっているため、申請できないと考えるのです。
もし、通勤定期券を使って営業をしたのに、定期券の有効範囲部分も含めて経費の請求をしてしまうと、不正請求になります。
つまり、定期圏内を除外した上で、交通費を請求することがベストであると言えます。
会社が指定する通勤経路とは別に、自腹で上乗せして別の経路を使っているという方もいらっしゃるかもしれません。
その場合は、会社としては指定した通勤経路の定期券を持っているものとみなされるのに、実際は指定された経路の定期券を持っていない、ということもあり得るでしょう。
会社の内規にもよるのですが、このような場合はあくまでも会社が指定する通勤経路の定期券を持っているとみなして、営業の交通費を計算するという会社もあるようです。
ただし、通勤経路は労災保険とも関係してくるので、会社が指定する通勤経路と実際の通勤経路が異なる場合は、営業の経費精算や、労災との関係も相談してみたほうがいいでしょう。
定期券の区間内を含めて、営業の経費として会社に請求することはできません。定期券を持ちながら、新たに切符を買って乗車した場合は、不正請求とまでは言えませんが、経費の無駄遣いを指摘されることになります。通勤定期券と、営業の交通費が重複している場合は、請求時に二重請求になっていないかよくチェックしてくださいね。